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執筆者 : HISAO
風邪シーズンの冬は“そば活”で元気に!蕎麦の栄養とおすすめな食べ方を解説

冬になると空気が乾燥し、昼夜の寒暖差や室内外の温度差も激しくなるため、体調を崩しやすいと感じる方も多いのではないでしょうか。そんな季節におすすめなのが「蕎麦(そば)」です。
蕎麦には、ポリフェノールの一種であるルチンや、代謝を助けるビタミンB群、腸内環境を整える食物繊維など、健康維持をサポートする成分が含まれており、体調管理を考えるうえで心強い存在です。
本記事では、冬に蕎麦が注目される理由や、蕎麦の選び方、そして年越しそばにもぴったりのカラダを温める食べ方の工夫まで詳しく解説します。

- 蕎麦に含まれる栄養と、冬に風邪を寄せつけない体づくりとの関係
- 健康を意識した“本物の蕎麦”を選ぶために、素材や配合で注目すべきポイント
- 冷えやすい季節にぴったりの、カラダの芯から温める蕎麦の食べ方
目次
- 冬に風邪をひきやすい3つの理由
- 蕎麦が冬の健康維持を支える3つのポイント
- 蕎麦選びで注目すべきポイント
- 15/e organicおすすめ!グルテンフリーの自然栽培蕎麦
- 年越し蕎麦にもおすすめ!蕎麦の楽しみ方3選
- この冬は蕎麦でカラダを整えよう
1. 冬に風邪をひきやすい3つの理由

冬になると、空気の乾燥や気温の低下により「風邪をひきやすい」と感じる方が多いのではないでしょうか。実際に、いくつかの要因が重なることで体調を崩しやすくなることが知られています。ここでは、その代表的な3つを解説します。
気温と湿度の低下でウイルスが残りやすい
気温が下がり乾燥した冬の空気では、咳やくしゃみによる飛沫が小さくなり、空気中に長く漂いやすくなります。もしその中にウイルスが含まれていれば、周囲の人に感染するリスクが高まります。
さらに、低温・低湿度の環境では、インフルエンザウイルスや風邪ウイルスにとって「居心地がよい場所」になり、生存時間が長くなることで、感染力も伸びることが研究で示されています。
鼻やのどの防御力が下がりやすい
冷たい空気を吸い込むと、鼻やのどの温度が下がり、粘膜のバリア機能が弱まります。
普通は粘液や繊毛の働きでウイルスを体外に追い出していますが、寒さでこの動きが鈍くなることが知られています。さらに最近の研究では、寒さによって鼻の粘膜から分泌される抗ウイルス物質が減少することも報告されています。
人が屋内に集まりやすい
寒い季節はどうしても屋内で過ごす時間が増えていきます。
暖房を使って窓を閉め切ることも多いため、換気が悪くなり、ウイルスがこもりやすい環境ができてしまいます。加えて、普段の学校や職場に加えて、冬は年末年始の集まりなど人との接触機会も多くなるので、ひとりが風邪をひくと周りに広がりやすくなります。
気温と湿度の低下、鼻やのどの防御力の低下、人が屋内に集まりやすい環境。これらが重なって、冬は風邪が流行りやすくなるのです。
2.蕎麦が冬の健康維持を支える3つのポイント

では、なぜ蕎麦が冬の体調管理に役立つのでしょうか。その背景には、蕎麦特有の栄養素や働きが関わっています。ここでは大きく3つのポイントを解説します。
ルチンが免疫細胞の働きをサポートする
まず注目すべきなのは、蕎麦特有のポリフェノール「ルチン」です。
蕎麦に多く含まれる成分「ルチン」は、日々の生活や紫外線などで生まれる体のサビ(酸化ストレス)から細胞を守る働きを手伝うと考えられています。
人を対象にした研究でも、「ルチン」を多く含む韃靼(だったん)蕎麦を使った食品を一定期間とると、酸化の度合いを示す数値(TBARS)が下がったという報告があります。
無理のない範囲で、蕎麦を日々の食事に取り入れるのは、カラダの調子を保つための小さな工夫になります。
※「韃靼(だったん)蕎麦」:一般的な蕎麦よりルチンを多く含む品種。品種や製法・茹で方によって含有量は変わります。
ビタミンB群が代謝を支える
蕎麦にはエネルギー代謝に欠かせないビタミンB1・B2が豊富に含まれています。
冬は体温を保つためにエネルギー消費が増え、疲れを感じやすい季節。ビタミンB群は糖質や脂質をエネルギーに変える”補助役”として働き、効率よくエネルギーを生み出し、日々の活力を支えてくれます。
食物繊維が腸内環境を整える
蕎麦には、水溶性と不溶性、両方の食物繊維が含まれています。
水溶性は糖や脂質の吸収をゆるやかにし、不溶性は便通をスムーズにする役割があります。この2つがそろうことで腸内環境が整いやすくなり、いわゆる「腸活」にもつながります。
特に冬は食生活の乱れや運動不足から便秘になりやすいため、蕎麦を取り入れることは日々の健康維持に役立ちます。
3.蕎麦選びで注目すべきポイント

市販の蕎麦の多くは、原材料に小麦粉を混ぜて作られています。
価格が抑えられるほか、麺が切れにくく、のどごしのよい食感になるといったメリットがあります。しかし、蕎麦本来の香りや栄養をしっかり味わうには「蕎麦粉の割合」と「原料の栽培方法」に注目することが大切です。
栽培方法へのこだわり
蕎麦の原料となる蕎麦の実は、そのまま製粉して使われるため、農薬や化学肥料の影響を受けやすい作物です。
そこで、無農薬で自然栽培の蕎麦を選ぶことで、カラダにとって有害な成分を取り込むリスクを減らせます。
特に日常的に食べる場合は、安全性に配慮した原料を選ぶことが、健康を意識する人にとって大きな安心感につながります。
香りや味わいの違い
蕎麦の魅力といえば、やはり「香り」と「風味」です。
蕎麦粉の割合が高い「十割蕎麦」や「二八蕎麦」では、噛むほどに香ばしさが広がり、蕎麦本来の奥深い味わいを楽しめます。
一方、市販されている多くの蕎麦は小麦粉の割合が多く、コシやのどごしが軽やかで食べやすいのが特徴です。どちらを選ぶかは好みによりますが、蕎麦粉が多いほど「香り重視」、小麦粉が多いほど「食感重視」と覚えておくとわかりやすいでしょう。
蕎麦粉の割合が高いものを選びたい場合は、原材料表示を確認してみましょう。「そば粉」のみが書かれているもの、あるいは「そば粉・小麦粉」となっていて、最初に“そば粉”と書かれているものを選ぶのがおすすめです。
※原材料表示は「含有量の多い順」に記載されるルールがあります。
鮮度や保存状態
蕎麦粉の割合が高いほど、ルチンやビタミンB群、食物繊維などの栄養素をしっかり摂取できます。
ただし、蕎麦は酸化しやすい食品。香りや栄養を逃さないためには、製造日が新しいものや要冷蔵・生そばと明記されているものを選ぶのがおすすめです。石臼挽きや自家製粉といった表記がある場合も、鮮度や風味にこだわっているサインになります。
健康のためだけでなく、「おいしいから食べたい」と思える一品を選ぶことが、無理なく続けられる秘訣です。
4.15/e organicおすすめ!グルテンフリーの自然栽培蕎麦

15/e organicで取り扱っている蕎麦は、農薬も肥料も使わずに土の力だけで育った自然栽培の蕎麦の実を使用しています。石臼挽きで丁寧に製粉した蕎麦は、口に入れた瞬間から広がる香ばしい風味と、なめらかな舌触りが特徴です。
さらに、すべての商品が小麦粉不使用のグルテンフリー。これまで小麦が気になって蕎麦を避けていた方や、グルテンを控えたい方にも、安心して味わっていただけます。
【自然派きくち村】十割蕎麦 (自然栽培・熊本県産蕎麦使用) 200g
【自然派きくち村】十割そば (自然栽培・熊本県産蕎麦使用) 200g

管理栄養士ポイント!
熊本・南阿蘇で育った在来種の蕎麦を、自然栽培でていねいに育て、収穫。
長野県の製麺所で石臼挽きにし、つなぎを使わず十割蕎麦に仕上げました。
乾麺でありながら、茹でても切れにくく、蕎麦本来の香りと力強い味わいを楽しめます。
長期保存ができるため、いつでも手軽に楽しめるのも魅力です。
おすすめの食べ方
温かい蕎麦はもちろん、冷製なら茹でた後に水でしっかり洗うとぬめりが取れ、のどごし良く味わえます。
【ナチュラルハーモニー】自然栽培 十割そば(乾麺)200g
【ナチュラルハーモニー】自然栽培 十割そば(乾麺)200g

管理栄養士ポイント!
国内自給率わずか20%ほどの蕎麦粉の中でも、さらに希少な自然栽培の蕎麦粉を使用。
岐阜県・養老の天然水を加熱せず仕込み水に用い、保存料・添加物を加えずにつくられています。
素材の力を最大限に引き出した、純粋な逸品です。
おすすめの食べ方
蕎麦が泳げるくらいのお湯で茹でるのがポイント。小さな鍋では水が濁りやすく固まってしまうため、大きめの鍋で茹でると美味しく仕上がります。また、濃厚なそば湯も取れて最後までお楽しみいただけます。
5.年越し蕎麦にもおすすめ!蕎麦の楽しみ方3選

素材や配合にこだわった蕎麦は、そのまま食べても十分おいしいですが、冬の体調管理を考えると「具材や調理法」にひと工夫加えることで、さらに栄養バランスが整い、満足感も高まります。
ここでは、年越し蕎麦にもピッタリな冬のおすすめアレンジを紹介します。
たんぱく質をプラスして、蕎麦を満足の一杯に
蕎麦は炭水化物が中心なので、単品だとたんぱく質が不足しがちです。
鶏肉や卵、油揚げなどを添えると栄養バランスが整い、食べ応えもアップします。特に鶏肉はビタミンB群や必須アミノ酸が豊富で、冬の体調管理に心強い存在です。
野菜でビタミンを補い、体調を整える
冬の旬野菜であるねぎ、大根、ほうれん草などを添えることで、野菜に含まれるビタミンCや抗酸化成分をしっかり補えます。それにより、カラダの調子を整え、冬の季節で崩れやすい体調をしっかりサポートしてくれます。
また、ねぎに含まれる硫化アリルには血行促進作用もあり、体を温める効果が期待できます。彩りが豊かになるため、野菜をプラスするのはおすすめです。
温かい汁で体を芯から温める
冷え込む冬には、かけ蕎麦や鍋仕立てがぴったりです。
例えば、昆布と鰹節で取っただしに醤油とみりんを合わせれば、シンプルながら体にしみる味わいに。しょうがのすりおろしを加えれば、血行促進を助けてさらにポカポカ感が増します。
また、鶏肉や根菜を一緒に煮込んだ「鶏南蛮蕎麦」や、大根や白菜を入れた「蕎麦鍋」にすれば、カラダを温めながら具材から栄養も補え、食べ応えも十分です。
年越し蕎麦として食べれば、体を整えて新しい年を迎える、日本ならではの食文化とも自然に重なります。
6. この冬は蕎麦でカラダを整えよう
今回は、蕎麦(そば)の栄養と冬におすすめの食べ方をご紹介しました。
日本の食文化のひとつである「蕎麦」には、ルチンやビタミンB群、食物繊維など、健康維持をサポートする成分が含まれています。年越し蕎麦として一年を締めくくるのはもちろん、普段の食卓に取り入れることで、冬の習慣が少しだけ心強いものになります。
ぜひ今年の冬は、素材や割合にこだわった蕎麦を選び、家族や大切な人と温かい一杯を楽しんでみてください。
まとめ
- 冬に風邪をひきやすいのは、乾燥・寒さ・人の集まりが重なるから
- 蕎麦にはルチンやビタミンB群、食物繊維など健康維持をサポートする栄養が含まれている
- 素材や割合にこだわった蕎麦を選び、具材や調理を工夫することで、栄養バランスも満足感もアップ
店舗情報

15/e organic 表参道店
- 住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5丁目42-1
- アクセス:東京メトロ銀座線、千代田線、半蔵門線「表参道駅」B2出口より徒歩5分
- 営業時間:11:00~20:00
- 定休日:年末年始
【記事の監修】

15/e organic
管理栄養士
HISAO
フィフティーンオーガニックで管理栄養士×ライターを担当。
オーガニックの魅力をはじめ、日々の生活に役立つ健康・栄養情報を発信しています。読者の皆様が1つでも、「そうなんだ!」という新しい気付きや発見のある記事をお届けします!